経済学と行動心理学?ノーベル経済学賞に学ぶ

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1969年から始まったノーベル経済学賞(正式名称:ノーベル記念経済学スウェーデン国立銀行賞)は、経済学における最も権威ある賞の一つです。

今年(2017年)ノーベル経済学賞を受賞した、リチャード・セイラー教授は、「行動経済学」の権威として知られています。一般的にはまだあまり知られていない「行動経済学」ですが、実は私たちの生活にとても身近なものです。では「行動経済学」がマーケティングやマーケティングオートメーションにどう関係するのか。この機会に「行動経済学」に触れてみましょう。

 

 

行動経済学とは何か?

 

行動経済学とは次のようなものであると定義されています。

「行動経済学」とは、人の日常生活における経済行動(買い物やギャンブル、投資など)について、心理学を交えて分析するもの

従来では、大きなお金の流れ、国や世界単位の経済現象が「経済学」として研究されてきましたが、その大きな流れも突き詰めると「個人」の行動によるものです。コンピューターの発達により個人のデータ収集、分析が容易となったこともあり、研究者は「個人」に目を向けるようになりました。

個人に目を向けると、その個人がなぜそのような経済行動をとったのか、理解する必要が出てきます。そこで、生まれたのが「行動経済学」であり、心理学を参考に個人の行動を分析することで、経済理論を発展させた分野なのです。

成り立ちから見ても、「経済心理学」と言った方が分かりやすいかもしれませんね。

 

 

経済学と行動心理学の違いは?

 

  • 経済行動を行うとき、いつでも合理的に判断していますか?
  • 選択肢の中で、一番目的に合ったもの、得するものを選択していますか?

100%これを実行できている人は、実は存在しないといわれています。
その理由は、「人間は常に感情を持って行動する生き物であり、時に非合理な行動を選択してしまうものだから」です。
そして簡単にいうと、いつでも100%合理的に判断すると仮定した人物像をつくり、その行動を研究するのが従来の「経済学」、非合理な選択をしてしまう人間の行動を心理学に基づいて研究するのが「行動経済学」です。

 

 

行動経済学って身近なものに置き換えると?

 

普段、自分なりに商品を観察し検討し、そして合理的に選択(購買)しているつもりでも、実は行動経済学の観点からみるとあらゆる要素に左右され、非合理的な行動をとっている場合が多いと気づかされます。その例をいくつかご紹介します。

フレーミング効果

同じことを表すのに、表現方法が違うだけで受け取り方が変わる効果
〈例〉

電気代1か月3000円 VS 電気代1日100円

電気代1日100円のほうが安く感じる。

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おとり効果

敢えて選ばないような選択肢(おとり)を紛れ込ませることで、意思決定を変える効果

〈例〉

「3,000円、4,000円のコース」があった場合、多くの人は3000円コースを注文するのに対し、

「3,000円、4,000円、6,000円のコース」を用意すると、4,000円が最も選ばれるようになる。

(この場合、6000円コースが「おとり」。)

 

アンカリング効果

印象的な情報を付加することで行動に影響を与える心理効果
〈例〉
価格8,900円! VS 通常価格12,000円が、今なら特別価格8,900円!
ここでは「通常価格」が「印象的な情報」を表しており、後者のほうが購買に結びつきやすくなる。

結果的には同じ金額で売れることになるが、売れ方が違う。

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ハーティング効果

人が他の人と群れをなそうとする心理効果
〈例〉
「行列ができている店」 VS 「すぐに入ることができる店」

多くの人が選んでいる=良いもの、という心理が働き、行列ができている店が選ばれるようになる。

 

現状維持バイアス

大きな変化や未知なるモノを避け、現状を維持したくなるという心理作用
〈例〉
「いいか悪いかわからない変化」 VS 「現状維持」。
この2つの選択肢なら、多くの人が現状維持を選択する。

 

まとめ

このような例は他にも、
・損失回避
・確実性効果
・プロスペクト理論
・ギャンブラーの誤謬
・メンタルアカウンティング
・現在志向バイアス
等があります。

 

いかがでしたか?あるある!と思うものがあったのではないでしょうか。
これからは、上記のような効果を意識しながら「自分はなぜこれを選んだのか?」を考えると、「行動経済学」が身近に感じられるかもしれません。その「自分の心理状態の変化」を上手く取り入れていけると、マーケティングオートメーションは成功に一歩近づきます。

 

 

 

 

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